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2009.10.30

お気に入りのカップでお茶を飲む暮らし

久し振りにネットサーフィンをしていて、超有名ペットブログの「富士丸な日々」の主人公犬である富士丸くんが、お☆さまになったことを知りました。何の前触れもなく、突然だったようです。
私はあちらを、たまに覗かせていただいていたから一方的に知っている程度で、それ以上のお付き合いなどありませんし、お悔やみを言えるほど親しくもないので、あえて何も書きません。
でも、確かあちらの主さんは一人暮らしのはずだし、あんな大きな子が突然消えてしまって、その喪失感に一人で向かって行かれるのだと考えると、ものすごく胸が苦しくなります。
そしてやはり思い出すのは、先代ぼうずのこと。今回は、富士丸くんの件をきっかけに、考えたあれこれを、思いつくままに綴ってみようと思います。

私は時々、先代ぼうずのことを思い出します。最期の瞬間に立ち会いながら、これはすべて見て覚えていなくちゃ駄目だ、そう考えていたことを、わざと思い返しています。
それは、そのあと付き合うことになった2代目ぼうずや、それ以外の縁のできた全ての動物たちに、何かが起こったときに、先代のときの経験が、もしかしたら何かの役に立つかもしれない、そう思ってのことです。
常にそのとき自分のできる100%で付き合ってきたので、先代が急に☆になってしまったときも、後悔はありませんでした。でもそれは、そのときの経験や体験、およびそれを経て得ることの出来た知識を、次に生かすことが出来て、初めて言えることだと思うんです。

犬や猫と一緒に暮らすということは、お気に入りのカップでお茶を飲む暮らしに少し似ている、なんてことに気付きました。
入れ物なんて何でも、お茶はのめるけど、お気に入りのカップがあったら、それはいっそう楽しく、美味しい時間になるに違いない。
たとえインスタントコーヒーでも、安いティーバッグでも、お茶菓子が何もなかったとしても、お気に入りのカップがあれば、それはもう私にとって、ちょっと特別な幸せの時間です。
そのカップだって、ウエッジウッドのすごいのじゃなくて、ローソンのシールを集めてもらったリラックマのマグかもしれない。でも、値段の多寡や来歴に関わらず、そのカップで頂くことが既に、特別な時間だったりするんです。お気に入りになるきっかけって、案外そんなもんじゃないですか?
カップである以上、いつか必ず壊れます。だからと言って、カップを仕舞いこんでしまっては、それは幸せではないです。カップはやはり、お茶を入れて飲んでこそ、幸せになれるんじゃないでしょうか。
ぶつけてちょっと欠けていたり、洗っても落ちない茶渋があったりするかもしれません。ですけど、使い込んでのそれはむしろ味であり、愛着の証でもあるのです。
だから、一見粗雑に使い込みながらも、うっかりガチャンととどめを刺してしまうことのないように、自分なりの愛し方で、末永く付き合っていきたいんだと思います。

先代ぼうずのことを思い出す、と先ほど書きましたが、それはその最期の瞬間に立ち会った一連のこともありますが、そのほかにももうひとつあります。声です。
写真は多少撮っていたので、見た目の記憶は割りと残っています。抱っこしたり撫でたりしたときの、重さや温もりや肌触りといった皮膚感覚も、まあ大丈夫です。でも、鳴き声だけは、録音をしたわけでもないし、どこにも残っていません。
大丈夫、忘れない、と自信はあったんですが、その後若く元気な2代目ぼうずが家に来て、てんやわんやの暮らしになり、またこの子はアビシニアンですからちょっと変わった声で鳴くので、一旦記憶が上書きされてしまい、先代の声が記憶から消えてしまったんです。
困ったなぁと思っていましたが、人間の記憶とは上手くしたもので、ちょうど1年位前ですが、ふとした拍子に頭の中で、先代の声がふっと蘇ったんです。ちょっと哀愁を帯びた、語尾の上がる、にゃ↓あぁーん↑? みたいな感じのあの声。取り出して誰かに聞かせることは出来ませんが、まちがいなくそれは先代の声なんです。
それ以来、頭の中でその声を反芻し、今度はもう忘れることのないようにたびたび思い出しているんです。何のためか? それはそのうち、私が虹の橋を渡ってあちら側に行くとき、先代とちゃんと待ち合わせが出来るようにです。先代が一生懸命「おねーちゃん、おねーちゃん!!」って話しかけてるのに、私が全然気がつかなかった、なんて寂しすぎますもんね。
積もる話もたくさんあるし、向こうにも多分あると思うので、絶対行き違いにならないためにも、先代の声は忘れずにいよう、なんてことを考えているのです。

富士丸くんは、7歳だったそうです。うちの先代が☆になったときはだいたい8歳くらいで、中年期と言えばまあ、中年期ではありますね。そしていつまでもガキンチョみたいですが、2代目も6歳になりました。カップはいつか割れてしまうときが来るけれど、そのときまでは、少しでも長い時間、1回でも多くのお茶が楽しく飲めたらいいな、そんなことを考えたのでした。

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コメント

忘れていた声を思い出した時はどんな感じでしたか。
なんだか、じわーっと嬉しさに浸りそうです。

私にとって猫との生活はなんだろう。未だよくわかりません。
猫を飼うつもりはまったくなかったので、
今でもなんで猫がいるんだと思う時があります(笑)
ただ、お☆さまになったら、心に猫型の穴が開くのは間違いないです。
それまで、お互い楽しくやって行きたいです。

投稿: 花 | 2009.11.12 00:09

>>花さん
随分とご無沙汰してしまい、申し訳ありません。
いろいろと考えていたら、お返事が書けなくなってしまったのでした。

あの掲示板でも、いろんな出会いと別れがありましたね、
どれも他人事とは思えず、感慨深いです。

ジェイくんと同級生のうちのも、シニアの年になりました。
本人はそんなつもりはないのでしょうけど、
先代が☆になった年でもあり、
また自分たち自身も、老いを感じる年頃になって、
思うところは大きいです。

でも、せっかくこの世に下りてきて、
一緒に暮らす偶然に恵まれたのですから、
一緒に面白おかしく暮らしていきたいと考えています。

ありがとうございました。

投稿: cue | 2011.02.06 12:38

お返事ありがとうございます。
何か失礼な事を言ったのだろうなと思って、
これ以降は私の方もコメントしづらくなっていました。
このお返事の「ありがとうございました。」と言うのも、
これきりでと言う意味で捉えるべきなのかな?
そう思ってどうしたらいいか迷っていました。
が、性分として無視できないので、お礼を言わせて下さい。
cueさんのお話は好きでした。
頂くコメントもセンスが良くて楽しみでした。
ぼうずくんは元気かな。
ご家族一緒に楽しい日々が長く続きますように。
では、お元気で。

投稿: 花 | 2011.03.25 01:58

うわーん、花さんお久しぶりです。
やっぱり気を使わせてしまっていたみたいですね、ごめんなさい。
あのタイミングで自分の書き込みが途切れてしまったら、
きっと悲しい気持ちにさせてしまうと思いながらも、
実生活でいっぱいいっぱいだったこともあったりして、
何だか上手い言葉が見つからず、時間ばかりが過ぎていって...だったんです。
一つ前のコメントも、やっとの思いで書いたはいいけど、
あまりにも時間が空きすぎちゃって、申し訳なくて、
考えすぎて、余計変になっちゃったみたいです。

他意は全然ありません、
花さんのコメントがとにかく嬉しくて、
申し訳なくて、恥ずかしいです。

もしよろしかったら、またお暇なときにでも、
覗きに寄っていただけたら嬉しいです。

うちのぼくちんも、先月からシニアのかりかりにしました。
ジェイ君おとこまえになりましたねー。
それはそうと、地震の影響など、大丈夫ですか?
皆さんどうぞお大事になさってください。
それではまた。

投稿: cue | 2011.03.25 05:09

よかった〜。

地震の直接の影響はありませんでした。
ただ、今まで感じた揺れの中では一番大きかったです。
そのあと、原発事故と停電があったりして、
東京の人もちょっとうろたえていましたよ。
まぁ、まだちょっと地震の前のようにはいきませんが、
今は大抵の人達は落ち着きを取り戻して元気です。

我が家はいつもと変わりなく暮らしています。
あ、でも、今までsamuraiさんが何かに募金をしたのって
見たことないのですが、この前初めて見ました(笑)
やっぱり、何かが変わってるのかもです。
ではでは。

投稿: 花 | 2011.04.01 01:08

こちらは殆ど実害はなかったのですが、
物資供給のルートが途切れたのと、被災地への優先納品に加え、
巷の情報を受けての買占めというか買い急ぎもあって、
スーパーの店頭は地肌が結構見えます。
お店などの節電もすっかり一般的になりました。
でも、いつまでもおとなしくしているだけでは経済が滞ってしまうので、
そろそろ元気な北の地から、適度な消費を心がけて、
日本に勢いをつけて行けたらなと思います。

我が家の場合は、防災袋を作りましたね。
手持ちのものを一つにまとめただけですけど。
あと、猫にリードをつける練習を始めました。
もしかしたらこれが一番大変かも...。
近々どこかのブログで、まとめて記事にしようかと考えています。
とりあえず、なんかそんな感じで~す。

投稿: cue | 2011.04.04 10:06

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