残念ですが、この子はあまり長くは生きられないのです。
よくて10年、うまくするとそれでもせいぜい20年、
もしかしたら、与えられた時間はもっともっと短いかもしれません。
どんなに長い間あなたと一緒に居たいと願っても、それは無理なことなのです。
それからこの子は、あなたにわかる言葉を話すことは出来ません。
もちろん学校に行くことも、就職することも出来ません。
ですからあなたは、この子が何を求めているのか、
お腹がすいては居ないか、寒くはないか、
具合が悪かったり痛いところがあったりはしないか、
その他いろんなことを常に気に掛けて、
この子がいつも気持ちよく居られるように、してあげなくてはいけないのです。
今はまだ元気でも、怪我をしたり病気になったりするかもしれません。
そんな時は、ちゃんとお医者にかかったり、予防注射をしたり、
必要に応じて手術をしたりもしてあげなくてはいけないのです。
当然お金も手間もかかりますが、そんなことはそれをしなくて良い理由にはなりません。
それに、もしかしたらこの子は、悪意はないとしても、
あなたやその周りの人を傷つけたり、いたずらをしてしまうかもしれません。
そんな悪い子になってしまわないように、ちゃんと躾ける必要も出てきます。
置いておくだけで永久に朽ちることのない、飾り物ではないのです。
ご飯も食べますしトイレもします。手入れを怠れば汚くもなります。
でも、そんな日々もせいぜい数年から20年、
そのくらいしか、この子には最初から与えられては居ないのです。
ですから、あなたも覚悟してください。
毎日の食事の世話とトイレの掃除や散歩などに加え、
必要に応じて体の手入れをしてあげること。
それから日に何度も名前を呼んで、目を見て微笑んで、
撫でて抱きしめて、大好きだよと言ってあげること。
負担に感じる時もあるでしょう。でも、それも、せいぜい数年から20年のことです。
たったそれだけしか、この子は生きることが出来ないのです。
それに対する代償は、求めてはいけないことだと思います。
でも、この子と一緒に過ごした日々は、他の何物にも代え難い、
輝きに満ちた、豊かな時間であることは間違いないでしょう。
例えどんなに面倒でも、辛くても、お金がかかっても、です。
この子は、あまり長くは生きられません。
でも、だからこそ、どうか、最後の瞬間まで、
この子の中にある小さな時計が動きを止めて、
温かく柔らかな体が、冷たく硬くなってしまうその時まで、
決して途中で投げ出すことなく、寄り添いその手を握り体を撫でていて欲しいのです。
せいぜい数年から20年のことです。
どうか、よろしくお願いいたします。
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今日の記事を、兄弟猫と彼らを保護してくださったじんざさん、お世話してくださったすべての方に捧げます。
この世に存在するすべての、いとしき愛玩動物たちが、今夜少しでも温かく、安らかに眠れますように。
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